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2024/02/21
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やっと訪れた春に

著者名: 青山文平
作品詳細

男は、生きるのがどこまでも下手だ。二人の藩主を擁する橋倉藩。割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。

出版社:祥伝社
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