たとえ別れる運命でも、愛することを止められない……子爵であるシリルが、森の奧にある広い館で執事のヴォルフとともに暮らすようになって五年。時折訊ねてくるアンリという知り合いはいるものの、長い時間、館から出ずに一人で過ごしてきたシリルにとって、とても心地よい生活へ変わった。ただ、シリルは元が人間のヴァンパイア。ヴォルフを迎え入れたその時から、知られないように気を付けていたが、彼に惹かれていく自分に気付き……。