本書は、伝統的な解釈や註釈書などに囚われず、鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』そのものと向き合って丁寧かつ自由に読み解いた、『法華経』の解説書です。著者は、『法華経』を自由に読むことで、『法華経』が「あらゆる仏教は〈法華経〉(=大宇宙の真理)である」と謳っているということに気づけるといいます。この『法華経』と〈法華経〉という「二つの法華経」は、それぞれ何を意味するのか。その解明を皮切りに、『法華経』全28品を綿密な考察と機知に富んだ筆致で説き尽くします。