茶道の師匠・宗竜に口説かれる人妻・藤江は、師範の資格を得るため身をゆだねる覚悟をする。永々と続く厳格な格式の中にあって、宗名を受け、一人立ちすることの困難さを、身体をひらくことで得た藤江は、やがて、宗竜から師との絆を結ぶ秘儀を申し込まれる。茶道血脈の絆として、陰毛を剃り落とすことが、条件だというのだ。決心した藤江は、羞恥と緊張感につつまれながら、静かに帯を解いていく――『蜜の茶事』。ほか、珠玉の人妻官能ロマン8篇を収録。