囚われて桜子 | |
新津 きよみ | |
岸本珠美には、暗い過去があった。二歳の時に誘拐され、約一年後に無事保護されたのだ。その間、「桜子」… |
四国八十八ヵ所つなぎ遍路 | |
家田 荘子 | |
「お遍路すると、何かいいことあるの?」よく人に聞かれる。私にはよく判らない。それよりも、遍路修行を無… |
四年目の呪殺 | |
斎藤 澪 | |
警視庁殺人課の刑事・宮浦江利子は、恋人の赤峰真治が自殺したのを機に警察を辞めた。彼は叔母殺しの容疑… |
四重奏 Quartet | |
倉阪 鬼一郎 | |
悲鳴は幻聴ではなかった。すでに瞳孔が開いていた。両手の指は強ばっている。蘇生の試みは空しかった。息… |
国が溶けて行く ヨーロッパ統合の真実 | |
林 信吾 | |
ナポレオンやヒトラーが、当時の世界では最高レベルの軍事力をもってして、ついになしえなかったヨーロッ… |
土壇場を切り抜けるワルの法則 | |
門 昌央 | |
ワルは、土壇場の逃げ方を知っている。「電車の中で痴漢と間違われて逮捕された」「酒の席で上司を殴って… |
土竜の聖杯 | |
友成 純一 | |
オカルト教団が新宿に埋めた“土竜の心臓”により、超高層ビル群は焼けただれたかのように溶解していた。… |
地を継ぐ子供たち | |
有村 とおる | |
〈えぶ〉と呼ばれる謎の疫病が人類を襲い、世界人口は最盛期に比べて十分の一以下になった。荒廃後の日本列… |
地図にない谷 | |
藤本 泉 | |
大学の夏休みに郷里へ帰った帯金多江は、鬼兵衛谷をレポートに取り上げようととしたが、なぜか母の強い反… |
地底の鰐、天上の蛇 | |
倉阪 鬼一郎 | |
深閑とした部屋の中央に佇んで、少年は自分が最後の人間であることをしみじみと想った。少年とともに館は… |
地獄の釜開き | |
友成 純一 | |
大きな蛭を丸ごと一匹、飲んでしまった。つまり蛭が、食道にへばりついている。おかげで、呼吸できなくな… |
地球キラー「人間の森」 | |
森田 靖郎 | |
いまの世の中は地球キラー……地球環境や野生動物、自然界の危機の到来だ。ぼくたちは、地球温暖化や巨大地… |
埋葬人形ウシャブティ | |
田中 文雄/米田 仁士 | |
秋の学園祭をひかえ、県立滝上高校演劇部の稽古は大詰めを迎えていた。だが、主役をつとめる朝生良平の心… |
堕ちていく… | |
館 淳一 | |
(これを自分で嵌めろというの……?) 小夜子は、屈辱と羞恥、それに刺激されて裸身が、特に下腹がカーッ… |
堕とされしもの | |
篠田 真由美/高屋 未央 | |
ケルヴィーノ……彼もまたアンジェロと同じく、地上に生まれ出でた天使だった。しかし五百年前に生を受け… |
壁の花 | |
横森 理香 | |
三十代、一人暮らし、猫飼い、仕事大忙し。縁遠くなる女の典型だ。当時女子大生だった私も、今では立派な… |
壮士、荒野を駆ける | |
胡桃沢 耕史 | |
昭和八年六月、はてしなく広がるゴビ砂漠の中、西域に向かう東干(トンガン)の騎馬武装兵の一隊があった… |
変わったお店 | |
館 淳一 | |
北新宿のはずれの雑居ビルに、個室ビデオ店『マドンナ』があった。常連の信二は、今日も、いそいそとやっ… |
変人島風物誌 | |
多岐川 恭 | |
我利我利亡者の地主、不気味な絵を描く洋画家、弾けなくなった天才ピアニスト、元博徒の顔役、腺病質な少… |
変幻退魔夜行 カルラ舞う! 奈良怨霊絵巻 | |
六道 慧/永久保 貴一 | |
古都・奈良が恐るべき呪法に侵されようとしている。闇の世界を操る宿儺(すくな)族が、朱雀門を復元し、… |