「うれしいこと、悲しいこと。全部生きているということだった」万年筆画家・サトウヒロシが紡ぎ出す「生と死」の世界。自ら墓に入った男は、魂を肉体から解き放ち、新しい人生を始めることに。男の姿は誰にも見えず、誰にも触れられず、誰とも話すことすらできない。そう、男は誰とも関われない代わりに、永遠の命を手に入れたのだった。そんな男が、ある少年と出会い、彼の一生を見守ってゆくうちに……。子どもにうまく伝えきれない「生きること」「死んでしまうこと」を、やさしくも力強い、万年筆画で描いた一冊。