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2024/02/21
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12の星の物語

著者名: 薄井 ゆうじ
作品詳細

 子供たちは広場に集まっていつも星間ロケットをつくっている。その最新式のロケットが今日、完成したらしい。「乗る順番を決めようとしただけじゃないか」アルマジロの次郎吉は口先をとがらせている。その言葉にアキラはいっそう腹を立てて、空中でハサミをかちかちと鳴らした。「決め方が問題なんだよ」「だから、じゃんけんで……」「こいつう!」争いの原因がだいたいわかった。つまりアキラは蟹だからハサミしか出せない。じゃんけんなんかしたら負けるに決まっている。(「蟹座じゃんけん」より) 十二種の星座をテーマにした摩訶不思議なストーリー。短篇小説集。第一話 山羊座通信第二話 水瓶座日記第三話 魚座システム第四話 牡羊座新聞第五話 牡牛座特急第六話 双子座ファンクラブ第七話 蟹座じゃんけん第八話 獅子座レース第九話 乙女座伝言板第十話 天秤座からくり第十一話 蠍座カレンダー第十二話 射手座大戦争●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ)1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。

出版社:アドレナライズ
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