著者名:
吉岡幸雄 | |
さらさ、じつに清涼な響きをもつ言葉です。更紗、この文字もまことに姿がよく瀟洒 (しょうしゃ) です。ジャワの古語「サラサ」(花の模様を撒く) からきたといいます。インドで生まれた華麗な色彩の木綿布は、室町の末期に日本にもたらされ、鮮烈な赤系の色と異国情緒な文様で、人々を驚かせました。江戸時代になると舶載品を模して、京都や堺、長崎、鍋島を中心に「和更紗」がつくられ、その技術も意匠もしだいに巧緻 (こうち) をきわめていくのです。文様の万華鏡というべき「和更紗」の魅力を本書に集成しました。
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