目に見えず、臭いもせず、これまで聞いたこともない謎の物質が大陸から飛来し、気づかないうちに体内に入り込み、細胞や器官を蝕むーー。最近、人々の関心を呼ぶPM2.5。実際、環境省が定めた基準値を上回る日も多数あり、呼吸器系や循環器系に疾患のある人や乳幼児・高齢者は要注意だ。有名なのは春先に黄砂とともに飛来するものだが、実は日本国内でも発生しているし、その汚染範囲は南極、北極など地球全体にも及ぶ。PM2.5の研究に深く携わってきた著者が、謎の物質の正体と危険性を警告する。