日本刺繍を営む家に生まれた高校生の繍子は、ある日、亡くなった祖母が集めていた刺繍の教習布を見つける。漠然とした未来に焦燥を覚えていた繍子だったが、時代と国を越えて少女たちが紡いできた刺繍に触れるたび、少しずつ自分のなかに答えを見出していき――。一枚一枚の刺繍を通して少女の成長を描く叙情派ストーリー。