ホンダの歴史は奇跡の歴史でもあった。だが、それは単純な成功物語ではない。スーパーカブの開発も、四輪車への進出も、F1参戦も、失敗と成功、絶望と希望、落胆と歓喜で綴られている。「世界一でなければ日本一でない、技術の競争はあくまでも技術をもってすべきだ。良品に国境はない」と言った本田宗一郎。たくさんの宗一郎を育てることを夢見た藤沢武夫。そして、二人に続き、学び、常に自らを「可変」としたホンダ。厳しい時代を生きている日本企業のすべてにとって、ホンダという物語が示唆するものは大きい。