著者名:
水原とほる | |
エリート商社マンの堀内正延(ほりうち・まさのぶ)には忘れられない初恋の相手がいる。高校が同じだった小林佐紀(こばやし・さき)だ。ある週末の昼下がりのカフェで、正延は友人に思い出を語りはじめる。 美しい顔立ちと誰にも親しまない態度ゆえにクラスでも浮いた存在だった佐紀。影のある独特の雰囲気が正延には気に掛かっていた。そして偶然にも意外な場所で、佐紀の秘密を目撃してしまうことになる。それは思いもかけぬ人物に組みしかれている、信じられないようなしかし美しい凌辱の光景だった。 そんな佐紀が、正延に対しては思いがけない反応を示す。やがて忽然と姿を消した彼の真意は、背負っていた重荷とは……? もう一度会いたいと今も切に願う思い人との出会いはありうるのだろうか。愛の軌跡が奇跡に転じる瞬間がきらめく珠玉の短編。単行本未収録作品。
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