“プルートピア”は「特異なユートピア」である。アメリカはワシントン州東部のリッチランドに、ソ連はウラル山脈南部のオジョルスクに、プルトニウムの街・原子力村としての“プルートピア”をつくりだした。本書は、東西冷戦という境界を越えてプルトニウムが米ソを結びつけプルートピアを生みだした経緯に注目する。インタビューと膨大な公文書記録をもとに、チェルノブイリ、福島と繰り返されてきた惨劇の源泉を掘り下げる。