2011年度芸術選奨受賞作家。謎の死を遂げたパンチェンラマ十世が、突然蘇った。卑しい男の魂が転生してしまったのか、この活仏(かつぶつ)は意地汚くて女好き。動くミイラと化したラマは、当局の目を避け、小僧のロプサンを連れてインドへの道を急ぐが……。核の脅威が迫るチベット高原でラマはある行動に出る。(講談社文庫)