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2024/02/21
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植草甚一WORKS4 この映画を僕はこう見る

著者名: 植草甚一
作品詳細

人間の理性が回復されるさまを、目前で観察出来るという機会は、滅多にあるものではない。この映画に登場する十二人の陪審員たち、珍しく婦人陪審員が加わっていない評決であるが、これらの陪審員たちの幾人かが、その性格によって、あるいは先入観によって歪められた理性を露呈し、その理性が、評決の最終段階にいたって、本来の人間性へと回復する瞬間、この「十二人の怒れる男」という映画は、その役割を果たしながら、滅多にない機会をあたえてくれるのである。(本文「十二人の怒れる男」をいかに鑑賞すべきか より)

出版社:近代映画社
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