私がそなたの新しい主となりましょう」――播磨国を舞台に、新しい“陰陽師”作品の誕生!舞台は室町時代、播磨国。律秀と呂秀の兄弟は、庶民を相手に病を診て、薬を方じ、祈祷によって物の怪を退ける法師陰陽師。だが、実際に物の怪が見えているのは弟の呂秀だけだった。ある晩、呂秀のもとに恐ろしい異形の鬼が現れる。鬼は、かつてかつて蘆屋道満に仕えた式神で、三百年以上も新たな主を求めていたのだった。「鬼は人ができぬことをする、人は鬼ができぬことをする。ただ、それだけだ」