著者名:
藤田宜永 | |
会社帰りに遭遇したおやじ狩り、小学生の娘が苦しむ奇妙な病、永遠に忘れられない昔、同棲した女の影--。人生の「迷路」に立ちすくみ、あがくしかない男たちのドラマが胸に迫る。恋愛、ハードボイルド、さまざまな形で「人の心のはかなさ」と「人生の機微」に触れる物語を紡ぎ続けてきた名手が描き出した、人生の曲がり角で待ち受ける危機と再生。全六編の短編小説集。「怒鳴り癖」仕事帰りに、二人組の男に暴行を受けた会社社長。怒鳴ってばかりの自分に怨みがある者の犯行ではないかと疑い……。「通報者」怪しい男から近所の若い女性を救ったものの、警察に通報した若い男の容疑者が自殺したことから窮地に追い込まれ……。「時には母のない子のように」同棲していた年下の男と刃傷沙汰になった事件。加害者の女性は昔愛した女と同姓同名だった。「押し入れ」娘が突然かかった奇妙なパニック障害。妻は何を隠しているのか。「マンションは生きている」中学生の女の子がマンションのロビーでプチ家出を始めた。管理人の私は親に連絡するのだが……。「消えた女」退職後に付き合い始めたコンビニ店員の女性が突然姿を消した。彼女の残した地図を頼りにその足跡をたどる男を待つ思わぬ“真実”とは。
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