著者名:
須賀しのぶ | |
1989年、日本の喧騒を逃れ、ピアノに打ち込むために東ドイツに渡った眞山柊史。彼が留学したドレスデンの音楽大学には、学内の誰もが認める二人の天才ヴァイオリニストがいた。正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。冷戦下の東ドイツを舞台に、一人の音楽家の成長を描いた、著者渾身の歴史エンターテイメント。
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