借金のカタで売られてきたり、役者修業で預けられた少年が春をひさぐ陰間茶屋。多くは普通の男の子が、金のために心ならずも身を任せているのだが、中には本気で客の男に惚れてしまう者もいた。恋した客に裏切られては泣くささらを、呆れながらも慰めてきた大店の次男坊・信理。互いに本命ではない者同士が、いつしか…。「ささ夜の恋」他に「宵の白砂」「しあわせの時」「ただあざやかな恋のため」「いつかそのまなざしで」「夏のせいだから」「これからの僕ら」を収録。