著者名:
松藤純子 | |
貿易会社に勤める夫に嫁いで半年。何不自由ない生活。でも心の中を予想もしていなかった風が吹き抜ける。夫は新婚の奈緒子を1人家に残し長期の出張を繰り返す。寂しさを訴えると「君の役目は家を守る事だ、僕がいなくてもしっかりしてくれなきゃ困る」と突き放される。こんなはずじゃなかった。友人の千沙に愚痴をこぼすと、それは贅沢だと言われてしまう。確かに高級住宅地に住み、それに見合う生活を送るとなると、いくら働いても追いつかない。今の生活に憧れたのは確かだけれど、こんなにも触れ合いが無いなんて。「私がそんな恵まれた立場だったら大いにお仕えしちゃうわね」生活を維持していくのは大変な事なのだと千沙に諭され、その通りだと思う。でも千沙の暮らしだって張りがあって素敵で羨ましい。彼女は、いつも何かを追いかけて生き生きしている。私の憧れだった。そこへ大学時代の同級生、大野が偶然通りかかる。懐かしそうに声を掛けて来るが、奈緒子が結婚していると聞いて顔色が変わる。大野はかつて奈緒子と恋人同士だったが、大野の浮気により別れたのだ。2人だけの同窓会の帰り「奈緒子じゃないとダメなんだ」と言われ抱き締められてキスされる。私が欲しかったのは、そんな言葉だったのかも知れない。夫に隠れて逢瀬を重ね、肉体関係を持つが、ある日夫に不倫現場を見つかってしまう!? 千沙に聞いたと言う。なぜ千沙が…!?
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