奄美諸島徳之島出身の東貞吉は、琉球警察名護警察署配属時に、米軍現金輸送車襲撃事件で手柄をたて公安担当になった。そして沖縄刑務所暴動で脱獄した人民党の島袋令秀に接近し、自分の作業員に育てることにした。人民党の瀬長亀次郎に心酔していく令秀に影響を受け、次第に瀬長を敬愛していく貞吉は、公安としての職務を全うできるのか?米軍の横暴に立ちはだかった瀬長亀次郎と知られざる沖縄の姿を描く傑作小説!(解説・内田 剛)