著者名:
美波はるこ/はるこ | |
新谷奏(しんやかなで)、28歳。高校時代は演劇部で、しかも美形の男性役で鳴らしもしたけど、今ではみんないい想い出だ。地元から上京して、それなりの平凡なOL生活を送っている。彼氏もいない奏の密かな心の拠り所は、毎年贈られてくる1枚のクリスマスカードだった。送り主は高校の文化祭で出会った少年、天宮司音(あまみやしおん)。今年も贈られてきたカードを手に、奏の胸には10年前、彼から告げられた不思議な言葉がよみがえる。『俺が二十歳(はたち)になったら、渡したいものがあるんだ』今や人気イケメン俳優となった司音。そして今日、約束の10年目の夜がやってくる──。
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