生まれつき頭花(トーカ)と呼ばれる花が頭部に咲く世界、トーカはひとりひとりのアイデンティティ、シンボルとして特別に大切にされてきた。一般家庭で大事に育てられ、年相応の悩みを持ち慎ましく不自由なく過ごしてきたのばら。大学4年、就職の最終面接を控えたのばらの身に、予想もできない不幸が襲いかかり…。順調だった生活は一転、先の見えないのばらに手を差し伸べたのは、ひとりの青年だった――。