貧困や病に苦しむ人々、囚人にも手を差し伸べ、救済に尽くした平安時代の僧、空也。志と想いは同時代に、後世にどのような影響を与えたのか。語り部の源為憲と慶滋保胤の筆を通し、その道筋をたどる。『空也誄』『日本往生極楽記』など、貴重な一次資料を現代語訳で収録。当時の息吹を届けるとともに、最新研究をもとに念仏を広めた元祖という伝説にメスを入れ、実像に迫る。