新型ウイルスが猛威を振るい、いまだ先行きの見えない非常事態下。日常や職を失い路頭に迷っていた鈴置ヒナは、暮らし慣れた東京から、かつて祖父が暮らしていた田舎へと転居する。今までとは勝手の違う暮らしに戸惑うばかりの中、ひょんなことから小さな個人商店で働き口を見つけたヒナ。そこに通う人々やその土地の空気になじめないながらも、これまで気付かなかったことや、自分の在り方を見つめ直してゆく――。