エリートビジネスマンに憧れる小学生の沢井貴裕は、ママさんバレーの子守り役や団地の雑用をこなす父親の姿に失望していた。そんなある日、大手口商事で沢井と出世を競い合っていた大和田が、沢井の前に現れる。大和田を自分の夢を体現した姿だと思う貴裕は、父親との違いを確認しようとするのだが……。父、母、子どもと3者の視点から家族のありようを描いた、福田素子の心がほっこりする物語。