「この世界はもう終わってしまうんだ」20××年世界は何の前触れもなく滅亡へ走り出した。人口は減り、空気は汚染されて特殊な防塵服がなければ外に出られなくなってしまった。僕は彼女にそんな嘘をついた。彼女はそれを信じて、ボロアパートで、ばかげた話を信じて、偽りの配給をもらいに行く僕を待っていてくれる。こんな生活を続けて1年、本当はキラキラした世界に生きていた彼女を、冷凍食品の仕分けのバイトで支え続けてきた。でも、彼女は本当に僕の嘘を信じているのだろうか？