著者名:
伊万里すみ子 | |
昭和十年、東京 玉の井。女たちだけの街、男たちを迎え入れるだけの街。この街が吉原・堀之内と少し違っていたのは、街のそこかしこに近道や抜け道がいくつもあったことと、とても貧しかったこと……。地図の上に赤い線で囲ってある街、人はこの街を赤線玉の井と呼ぶ。性と性を男と女が売り買いして売り買いして365日が過ぎていく街。昭和初期の赤線街・玉の井を舞台に、春を買う者とひさぐ者、銭と恋、貧者と富者、その人生の悲哀と盛衰を、確かに息づく筆致で見事に紡ぎ上げた一大タペストリー。著者ならではの男女の様を描いたヒューマン・ドラマ作品集!
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