著者名:
林 譲治 | |
昭和初期、日本陸海軍は第一次大戦後の総力戦をどう戦うのかという問題に直面していた。そんな中、航空産業をテコに日本の工業技術水準を向上させる戦略が生まれる。一〇〇〇馬力クラスの統制型液冷エンジンの開発がスタートし、陸海軍共通爆撃機が完成する。しかし護衛戦闘機がないために犠牲も多かった。そこで零戦や隼をベースにした双胴式の重戦闘機が誕生する。ノモンハン事件に投入された同機は重武装を活かし、ソ連軍戦車や装甲車を殱滅。ソ連兵から「毒蛇」と恐れられ、その名が正式名称となり、陸海軍共同部隊として専門部隊が編制される。昭和16年12月、毒蛇戦闘機隊がマレー半島のコタバル飛行場上空に姿を現し、第二次大戦の幕が上がるのだった。
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