ある夏の日、人里はなれた山奥に佇む古びた館を訪れた坂田見兄妹。それは夏休みを利用した、ただのアルバイトのはずだった。たった一つ、そこが「ハコオンナ」と呼ばれる怨霊の棲家だということを除けば……。小さな箱に詰め込まれ、生きて外へ出ることのなかった少女の霊。彼女は館にやって来た人間を、一人、また一人と、より暗くて狭い所へ引きずり込んでいく。やがて、次々と怪異に襲われ始めた坂田見兄妹が知る、おぞましいほどの真相とは――。