著者名:
河原正典 | |
「お迎え」体験とは、終末期の人間が、すでに亡くなった家族や知人など、見るはずのない人間と出会い、会話する不思議な体験である。従来、医療者はこうした事例を現場で確認しながらも、幻覚、せん妄の一種として本格的な研究を避けてきた。本調査は15年以上にわたって継続し、医師のみならず人文・社会学者も加わっての横断的な研究成果としてまとめられた。1700人以上の遺族アンケート調査による精密な分析により、日本人の約4割が広い意味での「お迎え」体験を経験していることが分かった。また、自らの死期を悟る、あるいは終末期の一時的な意識覚醒など、本邦初の「死の直前に起きる現象」についての統計調査、データが初めて公開される。
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