著者名:
アンドレイ・クルコフ著/沼野恭子訳 | |
仕事を辞め、妻に去られ、養蜂家になったセルゲーイチと、いまは何をしているのかわからない、犬猿の仲だった幼馴染パーシャ。狙撃兵と地雷に囲まれ、誰もいなくなった緩衝地帯《グレーゾーン》の村に暮らし続ける中年男ふたり。電気も途絶え、食料も足りず、砲撃も次第に頻繁になってくる。激化してゆく紛争下のドンバス地方を舞台に、飄々としたユーモアで描く物語。春が来て、やがてミツバチたちが目覚めたとき、意を決したセルゲーイチは旅に出る。ロシア占領下のクリミアを目指して──。全米図書批評家協会賞ほか受賞。ウクライナの国民的作家が戦禍のもとで書き続けた新長編。
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