著者名:
くどうれいん/東直子 | |
垂直のガラスを蛸があるいてる雨つよくふる都市のどこかに(東直子)柳の葉は撫でることしかできなくて小川の街でだれを愛すの(くどうれいん)結婚を打診されるも、かつての恋人の存在が心にひっかかり、素直に喜べないみつき。同じ街を浮遊しながら思考する謎の存在・ミメイ。ひとつの街にふたつの意識が浮かび上がり、淡く交信しながら進む物語。 【著者コメント】東さんと日常を交信するようにはじめた短歌のやり取りは、次第にわたしの人生を離陸してまったく別の「みつき」の人生になりました。書き終えたいま、雨が降ると、わたしのところへもミメイが来ているような気配がします。(くどうれいん)くどうさんと言葉を空に放って心を分け合っていたら、遠くにいるのにすぐそばにいるような、近づくことのできないところを浮遊しているような、とけあうような心地になりました。えもいわれぬ体験でしたが、その世界の人たちと時々目が合ってドキドキしました。(東直子)
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