名誉と屈辱、本能と理性、男らしさと女らしさ。太古から現代にいたるまで、人間は、このきわめて「人間的」な暴力とともにあった。いや、その歴史は、人間の歴史そのものなのだ。リングにあがった人類学者が描き出す暴力が孕むすべてのもの。序1章 人間的な暴力2章 理性の暴力3章 殴り合うカラダ4章 拳のシンボリズム5章 殴り合いのゲーム化6章 「殴り合い」は海を越えて7章 一発逆転の拳8章 名誉と不名誉9章 殴り合いの快楽10章 女性化する拳あとがき註参考文献