俺――若杉健次郎は、動乱の京の都へやってきていた。実の父と兄を亡くした俺を可愛がってくれた人たちが、倒幕運動に加担したと聞いて連れ戻すためだ。しかし――それだけでは済みそうになくて。俺の波乱に満ちた京藩邸生活がはじまった。