熊本藩細川家には、六万点近くの歴史資料が伝えられ、近年その全貌が明らかになってきた。戦国乱世を駆け抜けた細川幽(ゆう)斎(さい)・明智光秀・ガラシャをめぐる人間模様、忠(ただ)利(とし)の所望した国産葡萄(ぶどう)酒、江戸初期の震災と熊本城の修復、維新の激動に見舞われた歴代当主の甲冑のゆくえなどを取り上げ、細川家の歴史の深奥に迫る。永青文庫設立七〇周年記念出版。