人気官能作家だった西崎章太郎はスランプに陥り、新境地を開拓しようと北国の寂れた港町に逗留をしていたが、チンピラに絡まれ助けてもらった男が安原だった。安原は小料理屋へ西崎を誘うが、女将は安原の女房の咲子という女だった。薄幸そうな咲子にひと目惚れした西崎だったが、その晩、酔って気が付くと奥の小部屋に寝かされており、隣室では安原と咲子の狂おしいまでの性行為が始まっていた。56歳の西原は覗きに夢中になるのだが、暴力的なまでの性行為は普通ではなかった…。一途な欲望に身を焦がす男の情愛官能作品の秀作である。