鎌倉由比ヶ浜・明妙寺の長男、39歳の堀内嘉人は、茶の湯の宗匠でもある父親の家業を継ぐ気がない。しかし、目下の関心事は父親の後妻で嘉人より三つも若い真弓だった。あいにく父親は腰痛で療養中、嘉人は茶室で真弓と艶戯に溺れていくのだが、その火遊びは止まらず、檀家の娘や茶道具の女将とも関係を持つことに――