祖父と五歳の息子ミールとともに貧しい農村で暮らすオメガの青年キラには過去の記憶がない。気づいたときには身重の状態で臥せっていて、出産後は、労働力として酷使されてきた。ところがある日、隣国アーフターブから一人の凛々しい騎士がやってきて、キラこそが後宮から失踪した現王太子の寵妃であり、ミールはその御子であると言う。訝りながらも騎士ジャムシードに付き添われ隣国へと旅することになったキラ親子だが……。