1910年の「修善寺の大患」で、死地を脱した漱石は、ますます人の内面的傾向を深く追求していく……。以後、病に悩まされながらも、執筆を再開した漱石は、現実を見つめ、人間探求を試みる。人間のエゴイズムを追い求め、解析した、後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』を一冊に収録!