高校三年生の夏、美大を目指す泉は惜しまれつつも美術部を引退した。送別会のあと美術室に戻ると、黙々とデッサンに取り組む花の姿を見つける。誰とでも当たり障りなく愛想を振りまく泉とは逆に、絵の才能に恵まれながらも無愛想で敬遠される花。どうやら送別会には出席せずにいたようだ。そんな花にクロッキーをしようと提案する泉だが、花の強い視線になぜか喜びを感じて――。