小さい頃から身体が弱かった晴斗は、学校に行くことも出来ず、自宅の敷地から出たことがない。その上両親もいない為、厳しく接してくる祖母とふたり、辛い毎日を送っていた。ある日敷地内を散策中に離れにある蔵に忍び込んだ晴斗は、分家の血筋だという青年、空に出会う。晴斗が持病の発作をおこすと、空は黙って抱きしめてくれる。そうされるとなぜか、身体が楽になるのを感じた晴斗は毎日通いつめる。そのうち躯の関係を結んでしまうのだが…。「鈍色の透間」ほか、全7編を収録した河奈マリオ初オリジナル作品集。