数十年に一度、御神木の下に人が生まれる。そうして生まれた子は「宿り子」と呼ばれ、人よりも長い時間を生きる――。 尾瀬の観光センターで臨時職員で働く榊夏生は、ある日、登山道でアナログ写真を撮っていた学生の橘治巳と出会う。夏生は実は「宿り子」であり、普通の人より長い生を持つために深く人と付き合うことを避けて生きてきた。しかしなぜか治巳のことは気になってしまい――!? ファンタジックテイストで紡がれる、せつなく瑞々しいラブストーリー集。