著者名:
山田酉子 | |
その日は大事な進級のための試験があるとかで、親に泣きつかれてオレはしぶしぶ学校に行った。馴染めなくて、すぐ屋上に逃げた。そこでオレが見たのは、複数の男にレ●プされるご近所の三保ちゃん。こんな明るい時間に彼女を見るのは久しぶりだ。その小さな町では悪い噂はすぐに広まる。この辺りにたくさんの建売住宅が出来たのは十数年前のことで、オレは生まれてからずっとこの町に住んでいる。考えてみれば彼女とオレはずっと似た者同士だったのかもしれない。いつも皆の噂になってる。悪い方の(笑)。脳裏を過るのはあの日の屋上の彼女の姿。なんだかもう、うんざりだな。
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