著者名:
東雲水生 | |
「期待」という言葉が嫌いだ。周囲から身勝手に被せられる「期待」。努力したからこそ必然的に報われるだろうと思い込む自らの「期待」。その期待が叶わなかった時の暗闇は、深く深く、冷たいーー。私には勉強しかない。友達も作らず、ずっと勉強だけしてきた。それなのにテストではいつも学年二位止まり。一位の逢坂翔爾には絶対に敵わない。あいつは遊び人で常に女の子とチャラチャラしているのに何故、あんな奴に勝てないの!?なんだか限界で、すごく惨めだ…。だから、仕返しのつもりだった。逢坂は私みたいな女きっと興味ないから、嫌な思いをさせてやる為に、言った。「遊んでいること先生に告げ口されたくなかったら、私とキスしてーー」
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