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2024/02/21
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酔いどれクライマー 永田東一郎物語 80年代ある東大生の輝き

著者名:
作品詳細

東大のスキー山岳部に8年在籍し、カラコルムの難峰K7を初登頂に導いた永田東一郎は、登頂を機に登山の世界から離れてしまう。建築の道に進んだものの、次第に仕事を減らし、不遇のまま46年の生涯を病いに逝ってしまった。輝いていた1980年代という時代と下町で地元にこだわり続けた永田東一郎。圧倒的な存在感を放ちながら、破天荒で自由な生き方に、高校の後輩として永田を見てきた作家の藤原章生氏が迫る。■内容プロローグ 十二年後に知った死第一章 十七歳の出会い 濃くなっていく永田東一郎の記憶/「田端の壁」初登攀第二章 強烈な個性 南硫黄島の 「事件」/「くだらないぞ、そんな生き方」/自由すぎる校風第三章 下町育ちの“講談師” 母仕込みの一人っ子/酒好きの父親/地元好きの「東京土着民」/情けない自慢好き 第四章 東京大学スキー山岳部 試練の夏合宿/「チュザックではさあ」第五章 生まれもった文才 読み手意識の表現者/中学時代の虚無/ジャーナリストヘの厳しい書評第六章 強運のクライマー 「ガーディアン・エンジェル」がついていた/歯がたたなかった「青い岩壁」/滑落五〇〇メートル、奇跡の生還第七章 K7初登頂 「普通の頂上」だった/真摯で緻密な戦略家/消えた山の情熱 第八章 山からの離脱 四つの仮説/表現の舞台消え第九章 不得意分野は「恋」 十年の片思い/結婚という名のプロジェクト第十章 迷走する建築家 下積みに耐えられず/脱構築、ポストモダン/建築も人を殺す第十一章 酒と借金の晩年 人の金で飲み続け/あっけない死第十二章 時空間を超えた人過剰なほどの存在感/一九八〇年代、時代の輝き エピローグはじまりの山、おわリの山■著者について藤原章生(ふじわら・あきお)1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。86年、北海道大工学部卒後、住友金属鉱山に入社。89年、毎日新聞社記者に転じる。ヨハネスブルグ、メキシコシティ、ローマ、郡山駐在を経て、夕刊特集ワイドに執筆。05年にアフリカを舞台にした短編集『絵はがきにされた少年』で第3回開高健ノンフィクション賞受賞。主な著書に、 『ガルシア=マルケスに葬られた女』、 『資本主義の「終わりの始まり」』、 『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか』、 『ぶらっとヒマラヤ』など。23年5月、中央大法学部の講義録『死にかけた人は差別をしなくなる』 (仮題)を出版予定。

出版社:山と溪谷社
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