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2024/02/21
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若きアスリートへの手紙──〈競技する身体〉の哲学

著者名: 町田 樹
作品詳細

本書サブタイトルの「〈競技する身体〉の哲学」に注目してほしい。昔から今に至るまで、アスリートというのは寡黙な存在だ。決して多くを語ろうとはしない。だがその裏には、はてしなく深く広大な「経験と叡智の海」が広がっている。私は、その海を学術という名のコンパスを片手に航海してみたかった。そして、アスリートによるアスリートのための新しい哲学を立ち上げたいと志し、この手紙を書き始めた。本書のサブタイトルには、そうした私の挑戦的な意図が込められている――町田 樹これぞまさに、アスリートの哲学と極意!何かひとつの物事を極めようと努力するすべての人に捧ぐ、珠玉の21篇。 本書は、2部構成となっている。第I部では、競技種目を問わず、すべてのアスリートに共通するテーマを取り扱う。コツをつかむ方法や、スランプの改善策、緊張を緩和させる思考法、パフォーマンスの成功確率を高めるための戦略など、競技の世界を豊かに生き抜くためのノウハウのみならず、ライバルとは誰か、「競技引退」の真の意味、セカンドキャリアの築き方など、若きアスリートの人生そのものに深く関わる話題についても、縦横無尽に論じていく。 第II部では、フィギュアスケートや新体操、アーティスティックスイミング、チアダンス、バトントワリングなど、芸術的なスポーツに取り組むアスリートにとって普遍的なテーマを取り上げる。表現力の磨き方や、優れた振り付けを生み出すための創作のあり方、個性を開発する方法など、アスリートとアーティストの二面性を持つがゆえに向き合わなければならない、アーティスティックスポーツならではの諸問題について、新たな知見を示していく。 このように、多種多様なトピックスから構成される本書は、著者のトップアスリートとしての実践経験と、スポーツ科学研究者としての学識の融合が織りなす、従来類例を見ない、まったく新しい独創的なスポーツ書籍であるといえるだろう。 アスリートはもちろんのこと、芸術を志す若きアーティスト、あるいはスポーツ以外の習い事に取り組む方々など、何かひとつの物事を極めようと努力するすべての人に届ける、知的探究の一書である。■目次第I部 すべてのアスリートへ第1信 コツをつかむコツ第2信 スランプ脱出法――アルゴリズムとヒューリスティックの使い分け第3信 基礎の正体第4信 ループ・オブ・ザ・ヴィクトリー ――成功体験繰り返しの法則第5信 緊張状態制圧戦略第6信 知識革命への煽動――身体運動の訓練だけが練習ではない第7信 “1日休めば取り戻すのに3日かかる”の嘘――コロナ禍時代の新発見第8信 サバイバル・イン・ザ・スポーツワールド――自分国統治論第9信 ライバルとは誰か?第10信 スポーツ界解脱論――己の引退時期を見極める第11信 人生補完計画――アスリートのためのキャリアデザイン論第II部アーティスティックスポーツのアスリートへ第12信 美的探求の心得――より美しくを目指すための第一歩第13信 踊るアスリートのための著作権入門その1――あなたは著作物の利用者である第14信 踊るアスリートのための著作権入門その2――振付師は著作者になれる第15信 踊るアスリートのための著作権入門その3――あなたは実演家である第16信 表現力の鍛え方第17信 スターへの近道――舞踊マスターのすすめ第18信 マスターピースの条件――優れた振り付けを生み出すために第19信 音楽選曲からはじまる世界創造――二次創作としてのアーティスティックスポーツ第20信 自分美学への招待――オリジナリティの見つけ方若きアスリートへ捧ぐ最後の置き手紙第21信 感動は与えられない■著者について町 田  樹(まちだ たつき)●1990年生まれ。スポーツ科学研究者。現在、國學院大學人間開発学部助教。2020年3月、博士(スポーツ科学 / 早稲田大学)を取得。専門は、スポーツ&アーツマネジメント、身体芸術論、スポーツ文化論、文化経済学。主著は、『アーティスティックスポーツ研究序説』(白水社、2020年)[2020年度日本体育・スポーツ経営学会賞受賞]。また、かつてフィギュアスケート競技者としても活動し、2014年ソチ五輪個人戦と団体戦ともに5位入賞、同年世界選手権大会で準優勝を収めた。2014年12月に引退後は早稲田大学大学院に進学すると同時に、プロフェッショナルスケーターとしても自らが振り付けた作品を、アイスショーなどで発表。2018年10月にプロを完全引退したが、現在も研究活動のかたわら、振付家としても活動中である。

出版社:山と溪谷社
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