著者名:
船山 信次 | |
危険なほど、美しい――。人間の欲望を満たし、時にその闇へ陥れる、麻薬や有毒植物、薬用植物36種を紹介。その恐ろしい作用や、現代薬への応用、人間との歴史的な関わり、ミステリアスな逸話を、美しい挿絵とともに収録する。---昔から「きれいな薔薇には棘がある」とか、「きれいな花には毒がある」などといわれるように、どこか危なっかしい植物には美しい花をつけるものが多いのも事実です。そうした植物に満ちた場所が、この禁断の植物園なのです。やはり少々、危なっかしい植物ばかりの植物園といえるかもしれませんね。お断りしておきますが、私(園長であり著者)はそれらの植物の使用をいたずらに推奨するものではありません。近づいてはいけないものや危険なもの、使用には専門家の指導が必要なものなどについては、正しい付き合い方をはっきりと指摘させていただきます。また、この植物園は、この世にある危なっかしい植物を網羅しているわけでもありません。あくまでも園長の興味をそそる植物たちを集めています。 ……禁断の植物園のプロムナードへどうぞ。開門します。(禁断の植物園へようこそ より)---■内容禁断の植物園へようこそ第一章 誘惑のアーケードアヘン・モルヒネ・ヘロインを人類に与えた「ケシ」/大麻の世界へ手招く緑の葉「アサ」/幻覚剤LSDを生み出した黒い悪魔「バッカクキン」 ほか第二章 秘密の薬草畑美しい瞳を手に入れる目薬「ベラドンナ」/母と妻を犠牲にした全身麻酔薬実験「チョウセンアサガオ」/薬用植物の顔も持った古典園芸植物「オモト」 ほか第三章 死のプロムナード正倉院に眠っていた謎だらけの毒草「ゲルセミウム・エレガンス」/リシン入りの銃弾による暗殺「トウゴマ」/ソクラテスの処刑に使われた「ドクニンジン」 ほか第四章 謎めいた花園殺された弟の血が滴る「オトギリソウ」/墓地に植えられる悪しき実「シキミ」/庭を飲み込む巨大な穂「パンパスグラス」 ほか■著者について船山 信次(ふなやま・しんじ) 1951年仙台市生まれ。東北大学薬学部卒業、同大学大学院薬学研究科博士課程修了。薬剤師・薬学博士。現在、日本薬科大学特任教授。Pharmaceutical Biology (USA) 前副編集長。日本薬史学会常任理事。薬・毒に関する著書を多数執筆し、TV番組やラジオにも出演。『毒と薬の世界史』(中央公論新社)、『毒 青酸カリからギンナンまで』(PHP研究所)、『毒が変えた天平時代:藤原氏とかぐや姫の謎』(原書房)など著書多数。
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