「先生、どうしても俺じゃだめなの――」高校教師である文屋はある年の卒業式、教え子だった吉野に告白されたことがある。一時の気の迷いだと断っても、吉野は「大人になっても同じ気持ちだったら付き合って」とさらに食い下がる。「考えてやる」と伝えながらも、文屋はそれをほろ苦い想い出にしようとしていた。しかし数年後、教育実習生として再び文屋の前に現われた吉野は、変わらず自分に熱い視線を送ってきて――?