著者名:
芥川龍之介 | |
35歳という若さで自ら人生を終えた芥川龍之介。同時に彼の素晴らしい芸術生涯も終わりを告げましたが、短い一生の間に残した140編あまりの小説は、今なお私たちの心の琴線を揺さぶり続けています。彼は大正時代における新現実主義の代表的な作家でした。20世紀初期の日本の小資産階級の現実に不満をもったが出口が見つからない気持ちを表現しているという、新現実主義の流派は、今の混迷の時代に暮らす私たちに共感できるところが多くみられます。その中でも彼の真骨頂ともいえるのが短編小説です。芥川のたくさんある短編小説は題材、形式において、どの作品もオリジナリティーに富んでいます。短い紙面と2、3人の人物で、その文章の主題思想を表現し、人間の複雑で込み入った思想意識が表現されています。芥川の短編小説は、歴史題材の作品でも現代題材の作品でも、上品な言葉、きめが細かい心理描写、巧妙な分布で彼の独特な芸術風格が表わされており、後期の現代を題材とする作品は正直な知識人が現実の人生を探求しながら、結局、幻滅し、その後の苦悩と絶望の気持ちを表現する。いずれにしても、彼の大部分の作品は人の複雑な内心の世界を鮮やかな筆使いで描写しています。本書「死ぬまでに読んでおきたい 芥川龍之介」では下記7作品を収録しました。ぜひ芥川龍之介の鮮やかな筆遣いをご堪能ください。【目次】羅生門鼻芋粥地獄変奉教人の死藪の中河童
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